Googleなどでネットワークエンジニアと検索すると、検索候補に「ネットワークエンジニア やめとけ」という候補がでてきます。何故ネットワークエンジニアはやめとけと言われるのか。
この記事では、元インフラエンジニアの筆者が、ネットワークエンジニアやめとけと言われる6つの理由、後悔しやすい配属5パターン、ネットワークエンジニアのやりがいや転職を成功させる方法などを解説します。
このページはネットワークエンジニア転職完全ガイドの各論です。転職の進め方を最初から確認する場合はそちらへ。
ネットワークエンジニアがきつい・やめとけと言われる6つの理由

ネットワークエンジニアやめとけと言われる主な理由は、夜間・休日作業、障害対応の緊張、地道な確認…etcなど主に6つあります。
元インフラエンジニアとしての実体験も交えながらお伝えします。
1、運用監視の辛さ(夜勤)
インフラエンジニアの運用監視フェーズでは24時間365日(24/365)の対応が求められます。
そのため、NOC、データセンター、通信キャリアなどでシフト制でエンジニアが常駐しています。
◯夜勤・シフトが辛い
これは監視という業務的に仕方のないことではありますが、やはり夜勤が続くと生活サイクルが乱れる事から仕事自体に辛さを感じている方も多いです。
◯定型業務・ルーチンワーク
運用監視フェーズではマニュアル以外の作業は出来ない、決められた業務しか出来ないというい定型業務と言うルールがあります。イレギュラーなコマンドや操作を行うことで障害となるトラブルを防ぐためです。
この定型業務しか出来ないという業務内容的に経験できる領域に制限が有るため、上を目指す、キャリアアップを目指す方に取っては辛い経験になりやすいです。
◯運用監視にはメリットも有る
ただし、監視業務には待機時間も多いため、待機中にインフラの資格であるCCNAやLPIC、AWSなどの勉強をしている方も多いです。
また、運用監視フェーズは未経験の方でも求人応募が可能な場合が有るため、インフラエンジニアの第一歩、足がかりとしては有りです。今活躍しているインフラエンジニアの方の多くは実は運用監視からキャリアをスタートしています。
2、障害対応や本番作業の緊張
私も何度も経験したことがありますが、インフラの障害対応や本番作業はやはり緊張します。
インフラの業務は案件によって、新規構築や既存の設定変更、機器のリプレース(更改)など様々ですが
例えば、既存のインフラシステム・基盤に対して設定変更を加える場合、設定ミスで既存の環境に障害が発生することがあります。
最悪は切り戻しで変更を加えた箇所を戻すのですが、場合によっては1つの障害でニュース沙汰になることも…
例えば◯◯銀行でATMにトラブルが起きた、航空会社の予約システムに障害が…
などのニュースを見たことが有る方も多いのではないでしょうか。
これは外部からサイバー攻撃を受けた場合もあれば、必要な設定変更のミスで起きることもあるということです。
インフラ基盤は私たちが使っているサービスの基盤を支えるものなので、1つのミスが大きな障害に影響する事も有るため、やはり作業時は緊張します。
◯やりがいも大きい
ただし、同時にやりがいが大きいと言う点もあります。自分自身が◯◯銀行のATMを作った。
普段入れないデータセンターに入れる。
官公庁の機密情報を扱う。など通常の職業では経験できない事が経験できるのもインフラエンジニアのやりがいとしては大きいです。
3、出張が多い
ネットワークエンジニアに限って言うと、インフラエンジニアの中ではネットワークエンジニアは最も出張が多いインフラエンジニアといっても過言ではありません。
◯ネットワークエンジニアは出張が多い
サーバーやクラウドエンジニアの場合は、インターネット経由、自社ネットワーク経由でサーバーに遠隔でアクセス出来るため、現地に行かなくても作業出来ることが多いです。
しかし、ネットワークエンジニアの場合は、そもそも通信を作るエンジニアのため、現地にてネットワーク機器やFWの導入作業を行う必要があるため、必然的に出張が多くなります。
例えば会社の営業所が大阪にあれば、大阪へ直接出向いて機器設置、設定、テストなど現地作業を行います。
また、データセンター(DC)内に機器導入の場合、DCは郊外や田舎に設置されている事が多いため、電車も無くタクシーでしか行けない。と言うパターンも多いです。
◯経費で色んな場所に行ける
ポジティブに捉えるならこれです(笑)
仕事での移動・出張は当然経費のため、経費で全国様々な場所に行けます。
私も色々とご当地グルメを楽しみました。人によっては日本法人の海外支社の案件で海外へ出張という経験者の話も聞いたことがあります。
ただし、これは人によって捉え方が違いますが。ネットワークエンジニアの場合はどうしても出張は多いためここをポジティブに変換することも大切かと思います。
4、監視・一次対応からキャリアアップ出来ない
運用・監視からキャリアアップ出来ない。という話もネットワークエンジニア やめとけと言われる理由としてよく聞きます。
ただしこれは個人のスキルの問題と会社の問題に切り分けて考えることが重要です
1、個人スキルの問題
例えば、ネットワークエンジニアであればCCNA、サーバーならLPICなど資格がありますが、まずは資格を取得することはキャリアアップにおいて非常に重要です。現状、運用監視をされている方であればCCNAを取得する事でネットワークエンジニアとしての基礎知識は身につきます。
また、現状の運用監視業務内でも学べることは有るはずです。
今自分が作業しているのは何のための作業なのか。何のコマンドなのか。OSは何?機器は何?バージョンは?システム全体はどんな構成?
作業の中で吸収できる部分はたくさんあるはずです。これらを積極的に調べる・聞く事で1つ1つのスキルに繋がります。
2、会社の問題
スキルアップ出来ない原因が会社の問題もあります。特にSES企業から運用監視の案件に配属された場合です。
自分自身で必要な資格も取得した、自分なりに今の現場から吸収できるスキルは得た。
何度も営業に相談したが設計構築などの案件に携われない。
結局3年4年と時間だけが過ぎていった…という話もよく聞きます。
これは会社側が、キャリアアップを積極的に手伝ってくれないというスタンスであれば、転職を考える必要も出てきます。
5、資格取得のハードルが高い(CCNA)
CCNAはネットワークエンジニアの登竜門と言える資格で、ネットワーク機器の世界最大手のCisco社の認定資格です。
この資格の範囲は主に「ネットワークの基礎」「ネットワークアクセス」「IPコネクティビティ」「IPサービス」「セキュリティの基礎」「自動化とプログラマビリティ」の6分野から構成されています。
CCNAは登竜門と言える資格では有るものの、実はインフラエンジニアの種類(ネットワーク・サーバー・クラウド)の中の初級資格としては最も難易度が高いと言われています。サーバーであればLPIC-Level1、クラウドであればAWSクラウドプラクティショナーが初級資格に当たります。
これらの資格の中でCCNAは出題の範囲が広く、また、難易度も高いと言われているのです。
ネットワークエンジニア やめとけと言われている理由としてはやはりこの初級資格の難易度から挫折する方も多いのが要因のようです。
◯ネットワークの知識はサーバーやクラウドに必須
ですが実はネットワークの知識はサーバーやクラウドの分野では必須の知識です。サーバーもクラウドもネットワーク(IPアドレス)で通信を行っているため、結局サーバーの分野でもクラウドの分野でもインフラエンジニアという職業である以上はネットワークの基礎知識だけは必ず必須になります。
そのため、インフラエンジニアのキャリアをネットワークからスタートする事は非常に理にかなっているとも言えます。
6、地道な作業が多い
ネットワークエンジニアの仕事は実は機器を触る時間は少ない。という事をご存知でしょうか?
携わるフェーズにもよるのですが、設計構築のフェーズでは、実際に機器を構築します。
この設計構築の業務は実は7:3で資料を作成している時間が7割。残り3割が機器を触って構築をするという業務です。
ネットワークエンジニア やめとけと言われる理由の1つの「地道な作業が多い」というのは実はこの資料作成の多さです。
作成する資料の一例としては、基本設計書・詳細設計・パラメーターシート・物理構成図・論理構成図・サーバーラック図・config・見積もり・提案書・運用マニュアル・試験仕様書・作業申請書・作業工程表…etc
まだ他にもありますが、この様に多数の資料があります。
これら作成した資料は顧客への納品物となりますので、クオリティも求められるため、実は設計資料関連が非常に多くネットワークエンジニアの殆どの時間は、機器を触るのではなく、ExcelやPowerPointなど資料を触る時間なのです。
これが地道な作業が多いと言われる所以です。
◯オフィスソフトの経験が活かせる
資料作成ばっかりで地道。と思われるかもしれませんが、
実は若手に取ってみると、地味な作業があるからこそアサインされるチャンスが有るとも言えます。
ネットワーク機器に慣れて無くても、設計資料を修正する業務は多数あります。この際にExcelやパワポ、Wordなどオフィスソフトの経験が有ると強いです。
※実はネットワークエンジニアの資料の殆ど全てと言っていいですが、MicrosoftのOfficeソフトで作成されています。
自分のスキルをまずは設計資料の修正から活かせる。
という意味では若手の方でも仕事がある。と言えます。
ネットワークエンジニアのやりがい

ネットワークエンジニアにはやりがいもあります。
上記でも少し記載しましたが、ネットワークエンジニアの最大のやりがいは社会インフラ基盤の構築に携われることです。
案件によっては交通システム、発電所、金融…etc
私たちが普段使う、アプリやサービスの基盤、ATMなど銀行システム、Wifi、医療機関など…etc
社会インフラの基盤を自分で作れるのは他の仕事では出来ないやりがいがあります。
普段会社でPCを使って社内のファイルサーバーにアクセスするのも、
自宅や店舗で自由にWi-Fiが使えるのも、インターネットを使えば何故、世界中と通信できるのか
その全ての裏にはそれを設計したネットワークエンジニアがいます。
ネットワークエンジニアになる事は、イコール世の中を支える通信の仕組みを知ることになるのです。
ネットワークエンジニアに向いてる人

ここまで、ネットワークエンジニアやめとけの理由などをお伝えしましたが、
逆に、ネットワークエンジニアに向いている人はどんな人なのか。
私の実体験からお伝えすると特徴は大きく3つです
1、ネットワーク・インフラ技術に興味を持てる人
エンジニアである以上はやはり技術に興味を持てるかどうかは重要です。
最近ではネットワークの中でもセキュリティが重要になってきていたり、AIの登場で、エンジニアが代替されていくのでは…と不安な方も多いのではないでしょうか。
その中でもやはり残れるのは、技術に興味を持ち学習し続けられるかどうかです。
ネットワークの案件では案件ごとに様々な技術を使います。
プロジェクト、案件単位で、エンジニアはみんな必要な技術を独学で学習しています。
エンジニアである以上はやはり技術に興味を持ち学習し続けられるかどうかは重要です。
2、問題解決能力と論理的思考
ネットワークエンジニアの業務の中では様々な問題が起きます。
Ping(通信)が通らない
リンクアップしない
VPNが張れない
リンクアップしたと思ったら直ぐ落ちる
Wi-Fiがたまに落ちる
…etc
これらの問題には必ず原因があります。このような障害対応はネットワークエンジニアの重要業務の1つです。
そしてこの障害対応の際に必要なスキルが問題解決能力と論理的思考です。
Pingが通らないのであれば、どこのルーター・スイッチまでは通信が出来ているのか…
などを単に通信ができない。で終わらせずに、1つ1つ原因を切り分けて対処することが求められます。
このスキルは活躍しているネットワークエンジニアであれば共通して持っているスキルです。
3、コミュニケーション力
ネットワークエンジニアでもコミュニケーション力は必要です。
顧客折衝やPM/PLとしてプロジェクトを推進するマネージャーポジションの方はコミュ力が当然必要ですが、実はメンバークラス、若手の方でもコミュ力は必要です。
その理由は、ウォーターフォール開発にあります。プロジェクト・案件は一人で進めるのではなく、要件定義→基本設計→詳細設計→構築→テスト→運用
と上から下にフェーズ毎に進められます。
つまり、一人ではなく必ずプロジェクトチームがありメンバーとコミュニケーションが発生します。
例えば、設計構築フェーズで若手のメンバーとしてアサインされた場合、例えばこんなコミュニケーションが発生します。
・Ping(通信が出来ない)
→ネットワークエンジニアにとって通信が出来ない事は日常茶飯時です。この際に、「Ping通らないです…」と上司を頼る事も有るでしょう。その際には、「ここまでは通信できているのですが、その先がわかりません。」と相談したほうが、「お、一応自分なりに調べようとしたんだな‥」と印象が変わります。
この様に、コミュニケーション力は単純に仲良くするだけではありません。「こう伝えたら自分がどう思われるのか」などのコミュニケーション力も必要です。
・詳細設計書の修正依頼を受けた時
→上司から「詳細設計書の修正しておいて」と言われた際に、修正部分を聞いて修正作業をするとします。
その際に「あれ、修正箇所は聞いたけど修正意図を聞き忘れた。一旦言われた部分だけ修正したけど他の部分大丈夫だろうか…」と不安に感じたとします。この際に、「もう一度聞き直したら怒られるかも…」と怖くなり聞けないまま上司に完了報告をすると、結果間違っていた。
となるパターンがあります。この際に、聞けない事を聞けるかどうかはネットワークエンジニアとしては非常に重要なコミュ力となります。
この様にメンバークラスでもコミュニケーション力は様々なシーンで必要になるのです。
ネットワークエンジニアの将来性
最後にネットワークエンジニアの将来性ってどうなの?という話をします。
今はAIが登場し、「AIに代替されるのでは。。。」と多くのエンジニアが将来性に不安を感じています。
実際、ITエンジニアの中では、既にAIに代替された業務はかなり多いです。
その中でネットワークエンジニアはどうなのかですが、私の考えではネットワークエンジニアはAIに代替されにくいと言えます。
理由は、実機を扱うからです。
ネットワークエンジニアはスイッチ・ルータ・FW・ロードバランサーなど、ラックに搭載する物理機器を扱うエンジニアです。
そのため、物理機器への作業はAIだけでは現状難しいのが実情です。
案件でも非常に多いのが、機器のリプレースです。古くなってサポートも終わった機器を交換する作業。また、障害が起きた機器の交換など、これらはAIには現状は作業できません。
そのため、ネットワークエンジニアはAIには代替されにくいのです。
だからこそ、出張が多かったり、夜間作業など「ネットワークエンジニア やめとけ」と言われています。
いまはAI時代。その「やめとけ」と言われるポイントが、AI時代ではポジティブになる。結果、将来性も有る。と考えています。
まとめ
ネットワークエンジニアはきつい、やめとけと、ITエンジニアの中ではネガティブな声が多いエンジニアのジャンルですが、ネットワークエンジニアだからこそ良い点もたくさんあります。
データセンターに入れたり、社会のインフラ基盤の構築に携われたり…
大変な業務では有るもののその反面、魅力も多い職業です。
ぜひ興味を持った方は、ネットワークエンジニアを目指してみては如何でしょうか。
このコラムで少しでもネットワークエンジニアの事をポジティブに思ってくれる方が増えると嬉しいです。
