動画と記事で学ぶ / L2・L3と経路制御
show ip routeをCCNA初学者向けに解説。宛先ネットワーク・次ホップ・出口を構成図と対応させ、C/L/S/O、ADとメトリック、最長一致を順に読みます。
ここからは、記事でゆっくり確かめましょう。図や操作の例を見ながら、気になるところから読み進めてください。
show ip routeを出すと、C、L、O、数字、viaが一度に並びます。最初は全部を覚えず、「どの宛先へ、次に誰へ渡すか」を一行から読めれば大丈夫です。
図ではR1からR2へ渡し、その先の10.73.46.0/24へ向かいます。構成図の接続と、出力の宛先・via・出口を対応させて読みましょう。その後に、経路を知った方法と、複数の行から選ぶルールを加えます。

構成図のR2と、経路表のviaを結び付ける
R1とR2を結ぶ網は172.27.81.0/30です。R1が172.27.81.1、R2が172.27.81.2を使っています。出力のvia 172.27.81.2は、目的の網へ行くために次にR2へ渡すという意味です。
10.73.46.0/24の行を左から読むと、OはOSPFから得た経路、宛先の網は10.73.46.0/24、その先が評価値、次ホップ、経過時間、出口です。まず宛先とvia、GigabitEthernet0/0を図の位置へ戻してみます。
用語の補足:次ホップって何?
最終的な宛先へ向かう途中で、次にパケットを渡す相手です。viaのIPが次ホップを表す基本例では、宛先サーバーと次ホップのルーターは別の機器です。
R1# show ip route
Gateway of last resort is 172.27.81.2 to network 0.0.0.0
C 172.27.81.0/30 is directly connected, GigabitEthernet0/0
L 172.27.81.1/32 is directly connected, GigabitEthernet0/0
O 10.73.46.0/24 [110/20] via 172.27.81.2, 00:02:10, GigabitEthernet0/0
S* 0.0.0.0/0 [1/0] via 172.27.81.2
| 出力の部分 | この例で読む意味 |
|---|---|
| O | OSPFで得た経路 |
| 10.73.46.0/24 | 到達できる宛先ネットワーク |
| [110/20] | AD=110、OSPFメトリック=20 |
| via 172.27.81.2 | 次に渡すルーター |
| 00:02:10 | 経路に関する経過時間表示。プロトコルで意味を確認 |
| GigabitEthernet0/0 | 出力インターフェース |
10.73.46.45へ送るとき、最終的なIP宛先はそのホストのままです。R1–R2のEthernet区間では、次に渡すR2のMACを使います。「最終宛先」と「次ホップ」を分けると、viaがサーバーのIPでなくても不思議ではありません。
C・L・Sは、経路を知った方法
Cは直接接続されたネットワーク、Lは機器自身に設定されたIPへの経路です。今回のC 172.27.81.0/30とL 172.27.81.1/32は、同じ接続口から生まれますが、表す範囲が違います。
/30はR1とR2をつなぐ網、/32はR1自身の一つのIPです。Lの宛先へ届いたパケットは機器自身が受け取る対象なので、すべてを先へ中継するための行とは読めません。
Sはスタティックルートです。管理者が設定した経路を表します。S* 0.0.0.0/0は、この出力例ではデフォルトルートの候補として表示されています。ほかに具体的な経路がない宛先を、どこへ預けるか読む際に使います。
is variably subnettedは、異なるマスク長の経路をまとめる区切りです。エラーの通知ではありません。C・L・Sを読めるようになったら、区切りの下にある宛先と次ホップを一行ずつ追えば、出力の骨組みをつかめます。
O・B・R・Dも、まずは入手元として読む
OはOSPF、BはBGP、RはRIP、DはEIGRPから得た経路の代表的なコードです。最初は「どんな方法でこの経路を知ったか」として読みます。経路がなくなった場合も、設定を探すか、経路交換の相手を調べるかを選べます。
たとえばOの行を期待しているのに見つからないなら、宛先の経路を相手が広告しているか、OSPFの隣接関係ができているかが調査の候補になります。広告は、相手へ経路情報を知らせることです。
| 代表コード | 学習方法 | 確認の視点 |
|---|---|---|
| O / O IA | OSPFのエリア内/エリア間 | 隣接、広告元、OSPFのコスト |
| O E1 / O E2 | OSPF外部経路 | 再配送、外部タイプ、選択条件 |
| B | BGP | BGPテーブルで属性とbest pathを確認 |
| R | RIP | ホップ数と経路学習 |
| D / D EX | EIGRP内部/外部 | EIGRPトポロジーとメトリック |
| S | 手動設定の経路 | 設定した次ホップの到達性 |
O IAやO E1/E2には、OSPFの中で得た経路の種類という違いがあります。一度にすべての選択規則まで暗記するより、まず表で入手元を押さえ、その種類を調べる場面で詳細へ進むと読みやすくなります。
メトリックの意味は方式で違います。OSPFの20と、別の方式の20を同じ物差しで比べるわけではありません。コードと値をセットで読むことが、数字だけを見て優先度を決めないための土台になります。
宛先の範囲を選ぶ話と、ADを比べる話
一つの宛先が複数の範囲に入ることがあります。10.73.46.45なら、10.73.0.0/16にも10.73.46.0/24にも入ります。転送時は、一致した行の中で最も細かい範囲を選びます。これが最長一致です。
/24のほうが/16より対象を絞っているので、両方が経路表にあれば/24を使います。この場面で表全体のADを比べると、広い範囲を誤って選んでしまいます。
用語の補足:/24などの「/」の数字は何?
ネットワークの範囲を表すプレフィックスの長さです。IPv4は32ビットなので、/24なら先頭24ビットで範囲を決めます。数字が大きいほど、範囲は細かくなります。
ADは、同じ宛先範囲への経路を異なる方法で知った際に、どれを採用するかで使います。たとえば同じ10.73.46.0/24をスタティックとOSPFの両方から知った場合です。/16と/24の転送先を選ぶ話とは段階が違います。
メトリックも、その方式の選択規則と合わせて読みます。「転送先の範囲を選ぶ」「同じ範囲への経路候補を採用する」を分けると、最長一致、AD、メトリックが何を比べる値かを整理できます。
仕様の確認:Cisco:Route Selection。
宛先を指定して、次ホップまで確かめる
通信障害を調べる際は、ネットワーク名を眺めるだけでなく、届けたいホストのIPを指定します。show ip route 10.73.46.45なら、その宛先に使う経路を確認する入口になります。
次ホップが172.27.81.2なら、そこへの経路とARPも続けて見ます。経路表に行があっても、次の相手へEthernetで渡せなければ通信は進まないからです。
show ip route 10.73.46.45
show ip route 172.27.81.2
show ip arp 172.27.81.2
show ip cef 10.73.46.45
CEFは実際の転送に使う情報を読むための確認先です。VRFを使う環境では、通信が所属するVRFの経路や隣接情報を見ます。別の経路表が正しくても、対象の通信に使われているとは限りません。
基本的なIP転送の例を読めた後は、FWの許可、戻り経路、PBRなどの別の選択条件も必要に応じて調べます。経路表は大切な材料ですが、行があることだけでアプリの成功まで証明できるわけではありません。
宛先が変わると、選ぶ経路も変わる
宛先を変えると、同じ経路表でも選ぶ行が変わります。/24をR3へ、/16をR2へ向ける例なら、10.73.46.45は/24を使ってR3へ進みます。10.73.58.15はその/24の外なので、/16を使ってR2へ進みます。
この違いは、サーバーごとに別の設定をする話ではありません。宛先IPがどの範囲に入るかを、その都度経路表へ当てはめて選んでいます。
動画の出力も、「宛先に一致する行」「その行の次ホップ」「出口」の順に追ってみてください。全コードの暗記から始めるより、一本のパケットがどこへ進むかを説明できるほうが、図と設定を結び付けられます。
見慣れないコードや数字は、必要な行を特定してから調べれば構いません。最初の一行を読めたら、宛先を変えて選択の違いを確かめる。その繰り返しで、長い出力も通信の経路として読めるようになります。
