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EOSは販売終了、EOLは製品終息のプロセスです。Cisco機器のPIDからEnd-of-Sale、脆弱性修正終了、Last Date of Supportを確認し、更改期限と保守契約を整理する方法を解説。
ここからは、検索目的に合わせて再構成した記事本文を読めます。図解・手順・コマンド例がある場合は本文内で確認できます。
EOS(End of Sale)は販売終了、EOL(End of Life)は製品を終息させる一連のプロセス全体を指します。混乱しやすいのは、この2語を覚えても「その機器をいつまで使えるか」が決まらないためです。更改計画ではLDoS(Last Date of Support)をメーカーサポートの最終期限として確認し、脆弱性修正の終了日と自社の保守契約期限も別に照合します。
この記事では、Ciscoが公開している9つの節目を定義のまま並べ、実際に終息したCatalyst 2960-Xの日付で「告知から何年あるのか」「いつbug fixが止まるのか」を確認します。
このページはネットワークエンジニア転職完全ガイドの関連テーマです。担当工程の全体像を先に確認する場合はそちらへ。
EOSとEOLは何が違う?
Ciscoは自社のEnd-of-Life Policyで、この2語を次のように定義しています。
| 用語 | 正式名 | Ciscoの定義 | 実務での意味 |
|---|---|---|---|
| EOS | End of Sale | この日以降、製品は販売されない | 追加購入・予備機の調達ができなくなる |
| EOL | End of Life | 製品ライフサイクルの最終業務を導くプロセス | 単独の日付ではなく、複数の節目をまとめた呼び方 |
つまりEOSは1つの日付、EOLはプロセス名です。「この機器はEOLです」と言われても、まだ保守を受けられる状態かもしれませんし、すでに完全に切れているかもしれません。会話を日付に落とさないと判断できません。
出典:Products – End-of-Life Policy(Cisco)(2026年8月確認)
Ciscoが定義している9つの節目
Ciscoのハードウェアの終息告知(End-of-Sale and End-of-Life Announcement)には、次の9項目が日付付きで掲載されます。定義は告知文書に書かれているものです。
| 節目 | 略称 | この日を過ぎると |
|---|---|---|
| End-of-Life Announcement Date | EoL告知 | (起点)終息が公式に告知される |
| End-of-Sale Date | EoS | Ciscoの販売経路から発注できなくなる |
| Last Ship Date | LSD | 出荷を依頼できる最終日を過ぎる(EoSの3か月後) |
| End of SW Maintenance Releases Date | — | bug fixを含む最終のメンテナンスリリースが出なくなる |
| End of Vulnerability/Security Support | — | 脆弱性に対する修正が提供されなくなる |
| End of Routine Failure Analysis Date | EoRFA | 故障原因の定常的な解析を受けられなくなる |
| End of New Service Attachment Date | — | 保守契約の付いていない機器に、新規で契約を付けられなくなる |
| End of Service Contract Renewal Date | — | 既存の保守契約を延長・更新できなくなる |
| Last Date of Support | LDoS | 有効な契約があってもサポートを受けられなくなる |
LDoSはメーカーサポートの最終期限です。ただし自社の更改期限は、脆弱性修正の終了日や保守契約の満了日、社内のリスク基準によって早まります。実務で先に効いてくるのは、その手前の3つです。End of SW Maintenanceを過ぎるとbug fixが止まり、End of Vulnerability/Security Supportを過ぎると脆弱性が出ても修正版が出ません。そしてEnd of Service Contract Renewalを過ぎると、契約を延ばして時間を稼ぐ選択肢が消えます。
実例:Catalyst 2960-Xの日付を並べる
実際に終息したCatalyst 2960-Xファミリーの告知から、日付をそのまま並べます。
| 節目 | 日付 | EoSからの経過 |
|---|---|---|
| End-of-Life Announcement | 2020年10月31日 | EoSの2年前 |
| End-of-Sale(HW) | 2022年10月31日 | 起点 |
| Last Ship Date | 2023年1月30日 | 3か月後 |
| End of SW Maintenance Releases | 2023年10月31日 | 1年後 |
| End of Routine Failure Analysis | 2023年10月31日 | 1年後 |
| End of New Service Attachment | 2023年10月31日 | 1年後 |
| End of Service Contract Renewal | 2027年1月29日 | 約4年3か月後 |
| End of Vulnerability/Security Support | 2027年10月31日 | 5年後 |
| Last Date of Support | 2027年10月31日 | 5年後 |
この並びから読み取れることが3つあります。
- 告知からLDoSまでは7年あるが、bug fixが止まるのは告知から3年後(EoSの1年後)
- 脆弱性の修正だけはLDoSと同じ日まで続く。つまりEoS後の4年間は「新機能もbug fixも来ないが、脆弱性は直る」状態
- 告知からEoSまでの2年は製品ごとに違う。Ciscoのポリシーは最低6か月前の告知を定めているだけで、2年空くとは限らない
「EOLと聞いたらすぐ危険」ではなく、どの節目を過ぎたのかで打つ手が変わります。
出典:End-of-Sale and End-of-Life Announcement for the Cisco Catalyst 2960X Product Family(Cisco)(2026年8月確認)
EOSLという表記は誰が使う?
「EOSL」で検索して行き着く記事は多いのですが、EOSLはCiscoの節目名には存在しません。上の9項目のどこにも出てきません。
EOSLはEnd of Service Lifeの略で、主に第三者保守(サードパーティメンテナンス)を提供する事業者が使います。「メーカー保守が切れたあと(=LDoS後)も、当社なら保守できます」という文脈で登場する言葉です。指している時点はCiscoでいうLDoSにほぼ重なります。
同じ機器について話していても、メーカーはLDoS、保守ベンダーはEOSL、社内の稟議書はEOLと書く、ということが起こります。用語をそろえようとせず、型番と日付で突き合わせるほうが早く片付きます。
Ciscoの略号を英語表記と対応させる
Ciscoの終息告知は英語で書かれており、日本語の資料と略号が食い違って見えることがあります。読み替え表を持っておくと、告知ページから直接日付を拾えます。
| 略号 | 英語表記 | 意味 |
|---|---|---|
| EoL Announcement | End-of-Life Announcement Date | 終息を告知した日。ここから逆算が始まる |
| EoS | End-of-Sale Date | 新規に購入できなくなる日 |
| EoSWM | End of SW Maintenance Releases Date | バグ修正のソフトウェアが出なくなる日 |
| EoVSS | End of Vulnerability/Security Support | 脆弱性の修正が出なくなる日 |
| EoRFA | End of Routine Failure Analysis Date | 故障解析を受け付けなくなる日 |
| EoSCR | End of Service Contract Renewal Date | 保守契約を更新できなくなる日 |
| LDoS | Last Date of Support | すべてのサポートが終わる日 |
更改の判断で効くのはEoSではなくEoVSSとLDoSです。買えなくなっても保守と脆弱性修正が続いていれば運用は回りますが、EoVSSを過ぎた機器は「直せない穴を抱えたまま動かす」ことになります。稟議に書くのはこの2つの日付です。
自社機器の期限を型番から調べる
- 型番(PID)を確定する
機器上でshow versionとshow inventoryを実行し、PIDとシリアルを取得します。ラベルの型名と実際のPIDがずれていることがあるため、実機の出力を正とします。 - EoX告知を型番で引く
CiscoのEoX一覧から型番で検索し、該当する告知文書を開きます。同じシリーズでもモデルごとに告知が分かれていることがあります。 - ハードウェアとソフトウェアを別に確認する
節目はハードとソフトで別々に設定されます。機器がLDoS前でも、載せているIOSリリースのEnd of SW Maintenanceが先に来ていることがあります。 - 契約の状態を確認する
保守契約が付いているかで、見るべき日付が変わります。契約なしならEnd of New Service Attachment、契約ありならEnd of Service Contract Renewalが期限です。 - 台帳へ日付で記録する
「EOL済み」ではなく、9項目のうちどれをいつ過ぎるかを日付で残します。
show version の読み方はshow versionの見方にまとめています。
出典:End-of-Life and End-of-Sale Notices(Cisco)(2026年8月確認)
| 確認する日付 | この日付を使う判断 |
|---|---|
| End-of-Sale | 同型機の追加購入や予備機調達を終える時期 |
| 脆弱性修正の終了日 | 未修正リスクに対する代替策と更改優先度 |
| Last Date of Support | メーカーのサポートを前提にした運用を終える期限 |
| 自社の契約満了日 | 実際に問い合わせ・交換を依頼できる期限 |
同じシリーズでもハードウェアPID、搭載OS、サブスクリプションで告知が異なる場合があります。Ciscoの現行EOLポリシーと該当製品の告知を両方確認し、他社製品にCiscoの年数を当てはめないでください。
LDoS・脆弱性修正・契約期限から更改を計画する
LDoSの当日に切り替えるのは現実的ではありません。次の表はLDoSを基準にした例です。脆弱性修正の終了日や自社の契約満了日が先に来るなら、その早い日を更改の目標日として前工程から逆算します。
| 逆算する工程 | LDoSからの目安 | ここが遅れる理由 |
|---|---|---|
| 更改完了 | 3〜6か月前 | 切替後の安定確認と、問題が出た場合の再切替の余地 |
| 切替作業 | 6〜9か月前 | 拠点数が多いと1回では終わらず、複数回に分かれる |
| 機器の納品 | 9〜12か月前 | 後継機の在庫状況で変動する。リードタイムは見積時に確認する |
| 予算の確保 | 12〜18か月前 | 年度予算のサイクルに乗せる必要がある |
| 後継機の選定・検証 | 15〜24か月前 | 設定の移行可否、既存機能の有無、ライセンス体系の変更を確認する |
この表で一番外しやすいのは予算です。LDoSの1年前に気づいても、年度予算に載らなければ着手できません。告知が出た時点で台帳を更新し、予算サイクルに間に合う年度を決めておくのが実務的な進め方です。
更改判断の実務メモ:「EOL」とだけ書かれた台帳では、販売・修正・保守のどれが終わるか分かりません。製品PID、告知番号、End-of-Sale、脆弱性修正終了、Last Date of Support、契約満了日を別列に記録します。
LDoSを過ぎた機器のリスクを下げる
更改が間に合わない、あるいは予算が付かないことはあります。放置と、条件付きで使い続けることは別です。次を決めてから継続します。
- 予備機を確保する:故障してもメーカーから調達できないため、同型番の予備機を社内に持つか、第三者保守を契約する
- 脆弱性の受け口を決める:修正版が出ないため、管理アクセスの制限、不要サービスの停止、上位機器でのフィルタなど、機器の外で塞ぐ手段を決める
- 故障時の代替手順を書く:復旧ではなく「その機器を外して縮退運転する手順」を用意する
- 設定とIOSイメージを保管する:同型番の予備機へ載せ替えられるよう、configとイメージを取得して保管場所を決めておく
- 期限を設ける:「いつまで延長するか」を決めずに継続すると、次の予算サイクルも逃します
台帳に残す項目
- 型番(PID)とシリアル、設置拠点、ラック位置
- 稼働中のIOSバージョンと、そのリリースのEnd of SW Maintenance
- EoS / End of Vulnerability/Security Support / LDoSの3つの日付
- 保守契約の有無と、契約の終了日
- 後継機の候補と、設定移行で引き継げない機能
- 台帳を更新した日と、確認に使った告知文書のURL
台帳の目的は「EOLの機器を数えること」ではなく、どの年度に何台の予算が必要かを出すことです。日付が入っていない台帳は、その計算ができません。
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まとめ
EOSは販売終了という1つの日付、EOLはプロセス名です。どちらも「いつまで使えるか」は答えていません。メーカーサポートの最終日はLDoSですが、実際の更改期限は脆弱性修正の終了日、自社の契約満了日、社内基準も含めて決めます。bug fixや契約更新の終了日も別に確認します。Catalyst 2960-Xの例では告知からLDoSまで7年ありましたが、bug fixは告知の3年後に止まっています。EOSLはメーカーの用語ではなく第三者保守側の言葉なので、用語をそろえるより型番と日付で突き合わせてください。台帳には「EOL済み」ではなく9項目のうちどれをいつ過ぎるかを日付で残すと、予算サイクルに乗せられます。
