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ルーティングは何から勉強する?スタティック・OSPF・BGPの学習順

ルーティングは、端末のIP・経路とARP先、GW、採用済みの経路表、スタティックによる往復を説明できるところから学びます。その後にOSPFの隣接・LSDB・経路、必要な用途に合わせてBGPの受信・選択・広告へ進むと、どこで通信が止まるかを追いやすくなります。

これは学習の一例で、全員に同じ日数や資格を求める順番ではありません。各段階の成果物と確認できることを決め、既に経験した範囲は検証して先へ進みます。

この記事でわかること

  • 小さな2台構成で、往路と復路をつなげる
  • 段階1:端末の経路と、ARPで解決する相手を説明する
  • 段階2:経路表とスタティックを、正常・異常の差で覚える
PC-AとPC-Bを2台のルーターでつなぎ、双方のスタティックルートからOSPF・BGPへ進む検証構成と学習順の図
構成図と学習順:同じラボで往路と復路を説明してから、OSPFやBGPの課題へ広げます。IPは説明用です。 タップで拡大できます。

小さな2台構成で、往路と復路をつなげる

図は隔離ラボです。PC-A 172.29.85.15/24のGWはR1の.85.1、PC-B 172.29.97.25/24のGWはR2の.97.1。R1とR2は172.29.86.0/30で接続し、.86.1と.86.2を使います。

R1には97.0/24へ.86.2経由の経路、R2には85.0/24へ.86.1経由の経路が必要です。自分で作った図、設定、経路表、往復通信を一つにそろえます。ルーター発のPingだけでは端末のGWや制御を検証しきれないので、PC-AからPC-Bへの試験も行います。

Cisco IOS系 / この隔離ラボでの設定例
R1:
ip route 172.29.97.0 255.255.255.0 172.29.86.2

R2:
ip route 172.29.85.0 255.255.255.0 172.29.86.1

確認例:
show ip interface brief
show ip route
show ip route 172.29.97.25

実行するのは図のアドレスとIFを設定したラボの例です。商用環境へこの値をそのまま投入する手順ではありません。接続・端末設定・許可するICMPを準備してから、経路を加えた効果を確認します。検証基盤は実機・仮想環境の選び方で比較できます。

段階1:端末の経路と、ARPで解決する相手を説明する

単一IFと通常の経路設定では、同じLANの相手は宛先のMAC、別LANの相手はGWなどの次ホップのMACをARPで解決します。複数IFやホストルートがある場合は、端末も自身の経路表で出口を選ぶため、IPとマスクだけで全経路を決めつけません。

この段階の完了は、PC-A→R1とPC-A→PC-Bで、IP宛先、最初のEthernetの宛先MAC、使うGWを区別できることです。IP宛先がGWのIPへ書き換わるという理解を修正し、デフォルトゲートウェイとARP・MACテーブルの確認へつなげます。

段階2:経路表とスタティックを、正常・異常の差で覚える

課題 変える条件 説明したいこと
正常の往復 両端の必要経路を用意 宛先prefix、次ホップ、出力IF、復路
復路不足 ラボのR2側の復路だけを外す 往路だけでは端末間の往復は成立しない
次ホップの誤り R1の次ホップを一条件だけ変える 経路の有効性、隣接解決、失敗箇所
経路の追加 より具体的なprefixを一つ加える 採用済みの最長一致による変化

まず正常時の設定と出力を保存してから、一つだけ変更し、元へ戻します。初期のラボではデフォルトルートで何でも通すより、必要な宛先を明示すると不足が見えます。失敗したまま次の設定を重ねず、差分と結果を残してください。

同一prefixを採用するADの比較と、採用済み経路を最長一致で使う判断は別です。演習は経路選択の10問、詳細な読み方はルーティングテーブルで確認できます。

参考:Cisco:経路表の構築と転送(2026年10月5日確認)

段階3:OSPFは、隣接・LSDB・RIBを別々に確認する

OSPFではHello条件、ネイバー、DB同期、LSA/LSDB、SPF計算、経路表と実通信を追います。最初は単一areaの小さな構成にし、機種・OS・network type・area・認証・MTU・Hello/Dead条件を控えます。

Cisco IOS系の確認例
show ip ospf interface
show ip ospf neighbor
show ip ospf database
show ip route ospf

ネイバーがFULLなら目的のprefixも必ずRIBへ入る、とは限りません。参加するIFや広告対象、他の経路の採用も確認します。またbroadcast LANではDR/BDRとの隣接などにより、すべての相手がFULLになるわけではありません。見たい状態はnetwork typeと構成に合わせて決めます。

参考:RFC 2328:OSPFv2(2026年10月5日確認)

ラボを広げるときは3台目と別経路を加え、costを変えた選択とリンク断からの収束を確認します。正常・故障・復帰の経路を並べ、制御パケットの変化と利用者通信の変化を分けて記録してください。

段階4:BGPは、セッション・受信・選択・広告を分ける

BGPはOSPFのcostと同じ考え方だけでは読めません。AS、eBGP/iBGP、次ホップ、属性、受信・送信ポリシーを学び、まず隔離ラボで許可するprefixを限定します。学習のための経路を外部や商用の接続先へ広告しない構成にします。

見る範囲 確認する問い
セッション どの相手と、どの送信元・ASでEstablishedか
受信 必要なprefixと属性を受け取ったか
選択 どの候補を選び、理由と次ホップは何か
採用 その経路がRIBへ採用されたか
広告 どの相手へ、どのprefixを送るか
通信 往復と障害・復帰後の処理が成功するか

参考:RFC 4271:BGP-4(2026年10月5日確認)

RIPやEIGRPを使う案件なら、その用途、広告、metric、経路採用も学びます。名称を全て暗記することを完了条件にせず、担当する環境で経路を説明する順番を優先してください。

次へ進む基準は、作った構成を他人が再確認できること

  • 構成図:機器・IF・IP・マスク・GW・接続。
  • 設定:正常時と、一条件だけ変えた差分。
  • 証跡:状態・経路・実通信・復路と取得時刻。
  • 説明:採用理由、失敗の原因、元へ戻した結果。

資料を並べて「R1にこの経路があるから、PC-Aはこの出口を使う。R2の復路はここ。変更するとこの出力が変わる」と説明できれば、次の課題を追加できます。資格の学習へつなげる場合も、担当と資格の選び方に沿って、問題を解いた知識と検証した経験を分けて残しましょう。

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