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ルーティングテーブルの経路選択問題10問|show ip route演習

経路選択の問題では、「経路表へ採用する候補の比較」と「採用済みの経路から転送先を選ぶ判断」を最初に分けます。前者は同一prefixの学習元や管理距離、プロトコル内の選択が関係し、後者は宛先に一致する最長prefixを使います。

10問はCisco IOS系の既定値を前提とする説明問題です。IPは独自のプライベート例で、RIBに採用済みか、採用前の候補かを各問に明示しました。PBR・VRFがない通常の転送を基本とし、例外は該当問題で扱います。

この記事でわかること

  • 解く前に、入力と比較する範囲を確認する
  • 問題1〜5:候補と最長一致を分ける
  • 問題6〜10:次ホップ・VRF・PBR・復路まで確認する
同一prefixをADで経路表へ採用する判断と、宛先172.29.96.145に一致する/25を転送時に選ぶ判断を分けた図
判断図:左は同じprefixの採用候補、右は採用済み経路からの最長一致です。/25の範囲も示しています。 タップで拡大できます。

解く前に、入力と比較する範囲を確認する

問題の入力 比較すること 読み違い
同一prefixの候補 学習元のADと、各プロトコル内の選択 全部がRIBへ同時に載ると考える
RIBにある複数prefix 宛先に一致する最長prefix 短いprefixのADだけで優先する
選ばれた経路 次ホップ・出力IF・再帰・隣接 一行があれば通信成功と判断する

Ciscoの既定ADは直結0、Static1、OSPF110です。変更したADや、無効な次ホップがある問題は結果が変わります。OSPFでも経路種別などを無視してcostだけを比べるのではなく、同じ条件の候補として問題を読みます。

参考:Cisco:経路表の構築と転送判断(2026年10月5日確認)

問題1〜5:候補と最長一致を分ける

問題1:同じ/24の直結とStatic

有効な直結172.29.96.0/24と、同じ172.29.96.0/24のStaticが採用候補です。既定ADならどちらがRIBに採用されますか。

問題2:採用済み/24とデフォルト

RIBに172.29.96.0/24と0.0.0.0/0があります。宛先172.29.96.40に使う経路はどちらですか。

問題3:/16・/24・/25の範囲

RIBに172.29.0.0/16、172.29.96.0/24、172.29.96.128/25があります。宛先172.29.96.145に使う経路はどれですか。

問題4:ADを変更したStatic

同一prefix 172.29.96.0/24の有効な候補が、AD200のStaticとAD110のOSPFです。どちらが採用されますか。

問題5:同じ種別のOSPF経路

同一prefixへ、同じエリア内・同じ種別の有効なOSPF候補がcost10と30であります。ほかに制約がないなら、どちらを優先しますか。

問題6〜10:次ホップ・VRF・PBR・復路まで確認する

問題6:ホストルート

RIBに172.29.96.0/24と172.29.96.145/32があります。.145に使う経路と、.146に使う経路を答えてください。

問題7:Null0と具体的な経路

RIBに172.29.0.0/16 Null0と172.29.96.0/24 via R2があります。宛先.96.40と.99.40をそれぞれどこへ送りますか。ほかに一致する経路はありません。

問題8:VRFを選ぶ

入力IFがVRF-LABに属し、グローバルとVRF-LABの両方に同じ宛先があります。経路リークやPBRがない場合、どちらの表を見ますか。

問題9:PBRがある入力IF

入力IFにPBRが適用されています。RIBの最長一致だけでこのパケットの次ホップを確定できますか。

問題10:往路の一行とTCP成功

端末AからBへの経路は正しく、要求もBへ届きますがTCP接続が成立しません。A側のRIBの一行だけで正常と判断できますか。何を追加で確認しますか。

解答と、除外した理由を確認する

問 解答 判断の理由
1 直結 同一prefixの候補で、既定AD0がStatic1より優先
2 172.29.96.0/24 /24が一致。/0より具体的
3 172.29.96.128/25 /25の範囲は.128〜.255。.145は含まれる
4 OSPF この問題のADは110と200。Staticの名前だけで選ばない
5 cost10 同じ経路種別などの条件で、小さいcostを優先
6 .145は/32、.146は/24 /32は.145だけに一致し、.146には一致しない
7 .96.40はR2、.99.40はNull0 具体的な/24が優先。一致が/16だけなら破棄
8 VRF-LAB 入力IFのVRFを使用。グローバル表と混ぜない
9 確定できない route-mapへの一致、指定次ホップの有効性、機種の処理を確認
10 判断できない B→Aの復路、FW、NAT、Bの待受・応答を確認

問題3で/25を選ぶ理由は、ADが小さいからではありません。問題4は同一prefixの採用候補なのでADを比較しています。この違いを一文で説明できると、show出力を読み違えにくくなります。

問題5の条件を外してOSPFの外部経路とエリア内経路を混ぜると、単純なcost比較では答えられません。プロトコルの選択はBGPの属性などでも異なるため、異なるプロトコルのmetricを共通の点数として並べないでください。

実機では、RIB・転送情報・ポリシーの証拠を分ける

Cisco IOS系の確認例
show ip route 172.29.96.145
show ip cef 172.29.96.145 detail
show ip route vrf VRF-LAB 172.29.96.145
show ip cef vrf VRF-LAB 172.29.96.145 detail
show ip policy
show route-map

show ip routeは採用した経路、show ip cefは転送情報の確認に使います。未採用候補がRIB出力だけで全て見えるとは限らないため、OSPFやBGPなどの元の情報も調べます。PBRは適用IFと条件、ヒットした通信を分けて確認します。

同じcostの複数経路が採用される場合、ECMPでどのフローがどの経路へ出るかは転送実装やhashに依存します。「どちらか一つが常に使われる」とは決めません。再帰した次ホップ、ARPなどの隣接解決、戻り経路も確認します。

答えだけでなく、比較した範囲を記録する

演習の記録は、宛先、入力VRF、候補か採用済みか、一致したprefix、除外理由、次ホップ、未確認の復路を一行ずつ残します。設定変更後も同じ宛先で比較し、既存の別宛先へ意図しない影響がないかを確かめてください。

基礎の読み方はshow ip routeと経路選択、prefixの範囲はロンゲストマッチ、検証を始める順序はルーティングの学習順へ進めます。10問を解いたら、答えの暗記ではなく、自分のラボで一条件だけ変えた差を説明してみましょう。

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