QoSは回線自体を速くする機能ではなく、混雑時にどのトラフィックを先に送り、どれを待たせ、落とすかを分類・marking・queue・shaping/policingで制御する仕組みです。混雑していないと効果が見えないため、設計値とqueue カウンターで確認します。
この記事はネットワークエンジニアの仕事内容の各論です。工程の全体像から確認したい場合はそちらへ。
✅インフラエンジニアが理解したいこと
⚠️QoSは速くする技術ではない
そもそも通信速度の限界値は
契約する回線で決まってるから
その範囲の中でQoSで、回線が混雑したときに
どの通信を優先して、
どの通信を後回しにするかを決める技術ここで重要になるのが、
キューイングキューイングは、… pic.twitter.com/Mh4hsqGn9H
— けんと@設計構築チャンネル (@yeiquer12) 2026年7月13日
QoSは速度向上ではなく、混雑時に守る通信と後回しにする通信を分ける技術だと解説したポスト。
(出典:けんと@設計構築チャンネルのポスト(X)(X:QoSは速度向上ではなく、混雑時に守る通信と後回しにする通信を分ける技術だと解説したポスト。))
QoSは通信を速くする機能?
先に答えると、QoSは回線自体を速くする機能ではなく、混雑時にどのトラフィックを先に送り、どれを待たせ、落とすかを分類・marking・queue・shaping/policingで制御する仕組みです。混雑していないと効果が見えないため、設計値とqueue カウンターで確認します。
分類・marking・queueはどう働く?
それぞれの役割と、実務で見るところを次の表に整理します。
| 項目 | 仕組み・役割 | 実務での判断 |
|---|---|---|
| classification | トラフィックを識別 | ACL、DSCP、アプリケーション等 |
| marking | DSCP/CoSを書き換え | trust boundaryを決める |
| queuing | 混雑時の送出順・帯域 | priority queueの飢餓防止 |
| shaping | bufferして送信rateを平準化 | delay増加 |
| policing | 超過トラフィックをdrop/remark | 損失増加 |
traffic → classify → mark → egress queue → shape/police → link
voice EF ───────────── priority queue
data AF/BE ────────── weighted queues
shapingとpolicingは何が違う?
実施順は「アプリケーション要件をdelay/損失/bandwidthへ変換」から「代表トラフィックと既存通信を同時試験」です。
| STEP | 実施内容 | 確認する結果 |
|---|---|---|
| 1 | アプリケーション要件をdelay/損失/bandwidthへ変換 | classの根拠 |
| 2 | trust boundaryとmarking点を図示 | 偽markingを防ぐ |
| 3 | 平常時と混雑時のqueue カウンターを取得 | 効果が出る条件 |
| 4 | 代表トラフィックと既存通信を同時試験 | 優先/非優先双方を評価 |
class-map match-any VOICE
match dscp ef
policy-map WAN-EDGE
class VOICE
priority percent 20
class class-default
fair-queue
interface GigabitEthernet0/1
service-policy output WAN-EDGE
show policy-map interface GigabitEthernet0/1
Class-map: VOICE
30 second offered rate 800 kbps, drop rate 0 bps
Priority: 20%
Class-map: class-default
queue depth 12, total drops 24
Ciscoでポリシーをどう確認する?
症状ごとの原因候補と、次に確認することを次の表にまとめます。正常時の出力と並べて差を見ます。
| 症状・誤り | 主な原因候補 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| QoS後も遅い | 非混雑・wrong class・upstream bottleneck | offered rateとmatch カウンター |
| voice 損失 | 優先度上限・policer | drop カウンターとcodec rate |
| データが極端に遅い | priority overuse | class設計とadmission |
| DSCPが途中で消える | trust/remark point | ホップごとのキャプチャ |
混雑試験をどう安全に行う?
負荷試験は業務回線を意図的に混雑させます。本番で無断実施せず、検証環境または合意したウィンドウでrate・停止条件・監視を決めます。QoS前後は平均値だけでなくdelay、jitter、損失、queue dropを比較します。
- 対象機器・インターフェース・VRF/VLAN
- 取得日時・タイムゾーン・ソフトウェアバージョン
- 変更前後の同一コマンド出力
- 期待値・実測値・判定者
- 異常時の停止条件と切り戻し結果
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まとめ:混雑時の分類・queue・dropを測り、優先制御を確認する
要点は、混雑時の分類・queue・dropを測り、優先制御を確認することです。適用前後のポリシーマップの統計を同じ条件で取ると、効果を数字で示せます。
