インフラエンジニアは「未経験からでも挑戦しやすい職種」として注目されています。しかし、最初の給与レンジは決して高くありません。
多くの人が保守・監視といったオペレーション業務からキャリアを始め、年収はおおよそ300万円前後でスタートするケースが多いのが現実です。

この段階では、アラート対応や障害報告といった定常業務が中心。表向きには単調に見える仕事ですが、ここで得られる「インフラの基礎知識」こそがその後のキャリアの土台となります。未経験で飛び込んだ人が一歩ずつ成長できる理由は、この土台をしっかり築ける環境にあります。

入社から数年が経つと、単純な運用作業だけでなく「構築」や「設計」といった上流工程に関わるチャンスが訪れます。
サーバーのセットアップやネットワークの設定、システム全体の構成設計など、責任の大きい仕事を担うようになると、年収は400万円台から500万円台へとステップアップしていきます。

さらに設計経験を積み、要件定義やプロジェクト全体を見渡せるようになると、600万円台に届くケースも増えてきます。このフェーズでは「技術的に詳しい人」から「仕組みを作れる人」へと立場が変化し、評価のされ方も大きく変わります。

近年、年収アップを狙ううえで欠かせないのがクラウドやセキュリティ領域へのシフトです。
AWSやAzure、GCPといったクラウド環境を扱えるエンジニアは、市場価値が非常に高く、設計・構築の経験があれば700万円台に届くケースも少なくありません。

また、セキュリティ分野は常に人材不足であり、インフラ知識を持つエンジニアがセキュリティ設計や脆弱性診断に携わることで、大幅な年収アップが期待できます。
特にクラウド×セキュリティの組み合わせは強力で、企業からのニーズも高いため、キャリアの選び方次第で収入は大きく跳ね上がります。

インフラエンジニアとして経験を積むと、技術のスペシャリストだけでなく「マネジメント」の道も見えてきます。プロジェクトを率いる立場になると、調整力やリーダーシップが評価され、800万円前後に到達することも珍しくありません。

また近年は、信頼性を担保する専門職「SRE（Site Reliability Engineer）」としてのキャリアも注目されています。開発と運用の橋渡しを担い、システム全体の可用性や効率を高める役割は企業にとって不可欠であり、年収レンジも高めに設定される傾向があります。

インフラエンジニアのキャリアは、未経験の300万円前後からスタートしても、運用→構築→設計→クラウド・セキュリティ→マネジメントやSREへと進むことで、800万円前後まで収入を伸ばすことが可能です。

重要なのは、ただ目の前の仕事をこなすのではなく、キャリアの方向性を意識して選択していくこと。クラウドやセキュリティ、あるいはマネジメントやSREといった成長領域に踏み出すことで、未来の収入と市場価値は大きく変わります。

未経験からでも挑戦できる道だからこそ、「どう成長していくか」を考えることが、収入アップとキャリアの充実につながるのです。