VRRP Advertisementは、現在のMasterがBackupへ生存と優先度等を知らせる制御パケットです。VRRPv3ではIPプロトコル 112を使い、IPv4の宛先は224.0.0.18です。BackupはAdvertisementを受信できなくなるとタイマーに基づいてMasterへ移行します。
この記事はネットワークエンジニアの仕事内容の各論です。工程の全体像から確認したい場合はそちらへ。
✅インフラエンジニアが理解したいこと
VRRPはなぜ冗長化として成立するのか?VRRPは、複数のルーターで
1つの仮想ゲートウェイ(VIP)を共有する仕組み。PC側のデフォルトゲートウェイは、
物理ルーターA/Bではなく、
仮想IPアドレスを見る。通常時はMasterルーターが… pic.twitter.com/bjudxhjQiU
— けんと@設計構築チャンネル (@yeiquer12) 2026年7月12日
MasterがAdvertisementを定期送信し、Backupが生存確認すると説明したポスト。
VRRP Advertisementとは?
先に答えると、VRRP Advertisementは、現在のMasterがBackupへ生存と優先度等を知らせる制御パケットです。VRRPv3ではIPプロトコル 112を使い、IPv4の宛先は224.0.0.18です。BackupはAdvertisementを受信できなくなるとタイマーに基づいてMasterへ移行します。
Master・Backupはどう選ばれる?
それぞれの役割と、実務で見るところを次の表に整理します。
| 項目 | 仕組み・役割 | 実務での判断 |
|---|---|---|
| VIP | ホストがデフォルトゲートウェイとして使うvirtual IP | Masterが応答 |
| virtual MAC | VIPに対応するMAC | L2学習更新を確認 |
| priority | Master選出の優先度 | 同値時のtie-breakも考慮 |
| Advertisement | Masterの生存通知 | intervalとMaster_Down_Interval |
| preempt | 高優先度ルーターがMasterへ戻る | 再切替影響 |
192.0.2.1
VIP/仮想MACを保持
受信して待機
BackupはMasterからのAdvertisementを監視します。受信が止まってMaster Down Intervalが満了するとBackupがMasterへ遷移します。切替確認では役割の変化だけでなく、端末からVIP経由の通信が再開するまでの時間も測ります。
Advertisement停止後はいつ切り替わる?
確認は「両ルーターのVRID・VIP・priority・タイマーを取得」から始め、「ARP/MAC更新・損失・preempt復帰を確認」まで進めます。「データプレーン完了」を確認できれば完了です。
| STEP | 実施内容 | 確認する結果 |
|---|---|---|
| 1 | 両ルーターのVRID・VIP・priority・タイマーを取得 | 設定一致 |
| 2 | 平常時のAdvertisementと実通信をキャプチャ | baseline |
| 3 | 合意した障害点を一つ停止 | 検知から切替まで計測 |
| 4 | ARP/MAC更新・損失・preempt復帰を確認 | データプレーン完了 |
show vrrp brief
show vrrp
show ip arp 192.0.2.1
show mac address-table | include <virtual-mac>
# 設定例(Cisco IOS。対象versionで確認)
interface GigabitEthernet0/1
vrrp 10 ip 192.0.2.1
vrrp 10 priority 120
vrrp 10 preempt
Gi0/1 - Group 10
State is Master
Virtual IPアドレス is 192.0.2.1
Advertisement interval is 1000 msec
Master Router is 192.0.2.2 (local), priority is 120
preemptはどんな動作をする?
症状ごとの原因候補と、次に確認することを次の表にまとめます。正常時の出力と並べて差を見ます。
| 症状・誤り | 主な原因候補 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 両方Master | L2分断・VRID/auth/タイマー差 | Advertisement キャプチャ |
| 切替後も疎通不可 | ARP/MAC更新・upstream 経路 | GARPとスイッチテーブル |
| 頻繁に切替 | パケット損失・CPU・タイマー過敏 | ログとadv欠損 |
| 復旧時に再瞬断 | preempt | 戻す時刻とセッション影響 |
障害試験で何を測る?
show vrrpの状態だけで完了しません。連続pingまたはアプリケーションセッションで通信断を測り、Advertisement停止、状態遷移、GARP、MAC学習、実通信復旧を同じタイムラインへ並べます。
- 対象機器・インターフェース・VRF/VLAN
- 取得日時・タイムゾーン・ソフトウェアバージョン
- 変更前後の同一コマンド出力
- 期待値・実測値・判定者
- 異常時の停止条件と切り戻し結果
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まとめ:制御パケットの切替とデータプレーンの復旧を同じタイムラインで測る
要点は、制御パケットの切替とデータプレーンの復旧を同じタイムラインで測ることです。MasterとBackupの状態遷移を時刻付きで残すと、切替の原因が特定できます。
